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【目的論で考える子育て~自立と協力~】”どうして学校に行くのか?” その2

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元小学校の先生で、現在は子供達と関わる先生に向けた塾「未来学園HOPE」を運営されている梶谷希美さんへのインタビューをもとに、親である私たちが持っておきたい”心得”をお伝えするコラム。

前回はどうして学校に行くのかを、「自由と責任」という角度で解説しましたが、今回は「社会に出た時にどうなるのか」という角度から見ていきたいと思います。

梶谷 希美さん(のんちゃん)
小学校の教員を10年以上、崩壊クラスの立て直しを毎年行う。先生のための塾「先生塾」を開校したいという目標ができ、起業。その他にも、教育プラットフォーム「未来学園HOPE」の立ち上げ、書籍の出版(先生の時間はどこへ消えた?-仕事の時短仕分け術-/学芸未来社)など活躍の幅は多岐にわたる。

プライベートでは歌うことが趣味。

”学校に行かない”いう選択はどういうことを意味するのか

お子さんが「学校に行きたくない」ということは親にとって不安そのものでしかありません。

このままいったら将来どうなるのだろう、そう思いつつ、どう関わるべきか悩んでいる・・・。
そんなお母さんのためにも、お子さんと対等な関係を築きながら一緒に進む方法をお伝えしていきたいと思います。

梶谷さんからのアドバイス ”ここが大事!”

梶谷さん

私自身、多くの親御さんからお子さんが学校に行かないことについて相談を受けるなかで、いつも私が親御さんやお子さんにお伝えするのは「大人だとこういう意味だ」と置きかえることです。

例えば、学校へ行くということは、子どもの大多数が選択していること。
大人に置き換えると、会社員として働くということと似ています。

会社に行けばある程度やることは用意されていて、安定した給料が貰える。
それと同じように学校に行けば時間割があり、ある程度整備された道を進むことができる。

そういう意味では、一番近道で、ラクであるということ。

学校へ行かないという選択自体はOKとしながらも、これは大人にとって”大企業を辞めて起業する、フリーランスになる決断をする”ことと同じ。

何もやらなければお金が入らないので、生きていくためにも自分で考えて何をしたらいいのか、朝起きてから夜寝るまでのスケジュールを自分で決めて組み立てる必要がある。というようなことを伝えます。

なかには、「学校には行かない。youtuberになる」というお子さんもいらっしゃいます。
その時はその選択を尊重したうえで、こう答えるでしょう。

「youtuberの収入はどれくらいの広告収入があり、そのためにどのくらいの再生回数を獲得し、どんな市場であるのかを調査する必要があるよ。それは今ただyoutubeを見ているだけではきっと厳しいし、そうやって好きなyoutubeだけ見て何もせず過ごすというのは、ニートと言うんだよ。どういう企画がいいのかとか、今からでも撮って試したほうがいいけれど、そう言ったことに対して計画していく感じ?」

そうすると、お子さんの口からは「いや、そこまでは・・・」という返答が返ってくることが多いです。

これは、決してyoutuberになるのが無理だと言っているわけではありません。

学校に行かずにその選択をするのであれば、何が必要なのか、どんなことが起こるのか、ただその事実を見せる必要があるから、伝えているのです。

そのうえで頑張るというのであれば、応援したいから一緒に計画を立てよう!と言いますし、やってみて失敗するのもOK。
次どうしたらいいか、そういったフォローをする、というような関わり方をします。

解説
アドラー心理学で、「勇気づけ」という言葉がクローズアップされつつあるなか、褒めることと何が違うの?甘やかせることと同じなのでは?と混乱している方が多くいます。

ですが、アドラーでは「しつけ」と「勇気づけ」がセットになっているという考え方をします。むしろ、しつけなしに勇気づけは存在しないと言われているほどです。

今回のケースでいう「しつけ」の基準は、学校に行くも行かないも、自分の選択に対する責任を自分で背負えるかということです。

重い言葉のように感じますし、子供にとっては酷だと思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、ただ受け身で過ごし、誰かが決めた道を疑問なく生きていくと、大人になっていくなかで、違和感を感じたり、人のせいにしたり、必要以上の苦労を背負うかもしれません。

親に守られている子供のうちに、与えられた環境のなかでも、

  • 自分にどんな意味があるのか
  • 将来のために今何をしているのか

を考える癖をつけさせるような関わりをする。

そのために、今選択しようとしていることは、大人に例えるとどのくらい責任のあることで、それを選択することで将来どうなる可能性があるのか、という視点で、起こりうることは全て伝える。

そのうえで、本人の選択を最大限に尊重するということが、自立した人間を育てるために必要なアプローチとなるのです。

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