平本式ではニシティと呼ばれています。心理カウンセラーの仕事をしています。
元々はSEとして働いていたのですが、当時の労働環境からうつ状態になりました。
その当時は「死んだら楽になれるのに」と思い、その環境からとにかく逃げ出したいとばかり思っていました。
その時の経験をきっかけに「心理」に興味を持ち、私と同じような「しんどさ」を抱えている人をなんとかしてあげたいと思い心理カウンセラーの道を志しました。
この記事では、心理カウンセラーとして「ご自身の周りにいる人」の相談に乗るにはどうしたらいいの?というお話や、カウンセラーってどんな生活しているの?などをお伝えします。
「周りで困っている方の話を聞いてあげたいんだけど、、」という声をよく聞きます。
そこで、カウンセラーの「聴き方」を簡単に紹介いたします。
具体的には下記の順番でお話を伺います。
実は「話を聞いてあげたい」からと言って、話の内容に意識を集中させてしまうと、かえって相手が混乱してしまうことがあります。
これは「質問に対する反射」という人間に備わっている機構なので仕方ないのですが、反射を抑えることで「初めて」解決に向かうため、非常に重要です。
それでは詳しく解説します。
相手の状態に共感するとは、相手のことを観察して、相手の表情や姿勢、動きを強調した態度で「わかるよ」を伝える事です。
人間は自分のことを「わかってくれる」相手に信頼感を覚えるようにできています。
ですから話の内容も大切ですが、それ以上に「わかるよ」を相手に感じてもらうことが重要です。
メラビアンの法則はご存知でしょうか?
「聴くこと」において話の内容は、全体の7%の影響しかありません。
そのため、どれだけ相手の話している内容に耳を傾けても、全体の7%にしか影響しないんです。
例えば、イヤホンをしたままの相手に相談したいと思うでしょうか?
思いませんよね。
話す気が失せるのは「わかってもらえないだろうな」と無意識に判断するからです。
だからこそ「わかるよ」を伝えてあげるために相手の表情や姿勢、動きを強調した態度が重要になるんです。
ただ、この聴き方をするには訓練が必要です。
なぜなら人はつい「質問に答えたくなる」生き物だからです。
例えば部下が「最近残業が多くて、どうしたらいいんでしょう?」と言ったら、何と答えますか?
仕事ができる方ほど、
「残業はどれくらいなの?」
「どんな仕事に時間がかかっているの?」
と解決策を模索してしまうのですが、
まずは、
「そっか〜、残業が多いんだね。」
と、共感してあげることが重要です。
※ 相手がリソースフル(元気いっぱい)の時は解決策を模索してもOKです。
落ち込んでいる時や、解決策まで頭が回らない場合は、まずは共感してください。
相談に乗ってあげたい!と思われる方は仕事ができる方や、優秀な方が多いです。
だからこそ、「問題を解決しようとしてしまう」ので、迷宮入りしてしまうんです。
次に重要となるのが「どんなとき問題を感じたか?」です。
この場面特定をせずに「いつもなんだか人と上手くいかないんです。」ぐらいの抽象的な話のまま進めてしまうと、問題解決は難しくなります。相手が本当は何に悩んでいるか分からないからです。
ですので、まずは実際に「人と上手くいかなかった」場面を聴いていきます。
それも超具体的に。
例. クライアントさん「この前、AさんとBさんと私の3人で話している時に、Aさんが『〇〇』って私に言ったんです。その時に〇〇って思ってしまって怒りで頭が真っ白になってしまったんですよね。」
これでもまだ抽象度が高いぐらいです。
なんでここまで場面を特定するかというと、人は「問題だ」と感じるのは抽象的なストーリーではなく「実際の場面」だからです。
その場面のある瞬間に、自分の理想像とは違うことが起こって、違和感を感じているんです。
つまり、ある場面で「問題だ」と感じた時点で「解決像」が無意識にわかっています。
だから場面を超具体的に特定し、そのときの臨場感の中で「それの何がイヤだった?」と振り返っているうちに、「これがイヤだったから、ほんとうはこうなっていたら良かったんだな」と自分で気付いて自分で問題解決してしまうことが多いんです。
相手の課題を自分が解決するのではなく、相手が自分で解決するために「場面を特定」し、どこに違和感があるのかを、本人に気付いてもらうんです。
相手の問題を自分が解決してやりたい気持ちを抑えて「見守っていられるか」が一番重要です。
もし場面を特定しても相手が解決方法に気付かない場合は、相手から引き出す必要があります。
上記で述べたように、課題と感じている時点で解決像は無意識に分かっています。解決像を実現する具体的な方法も、言語化、明文化していないだけで本人の中にあります。
一緒に解決像が実現した場面を俯瞰しながら「そのために何ができる?」と具体的なステップを引き出していきます。
具体的な解決策が見えてきたら最後に、その解決策をどうやったら行えるかを話し合います。
相手から引き出した解決策を検討したり、具体的にどうやって実行していくかを話しているタイミングでは、相手に役立つ情報提供や提案をしても良いでしょう。
提案内容はケースバイケースですが、相手の成長を促す場合はあくまでも相手が自分で主体的に考える、その補佐としての提案にとどめてください。
カウンセラーの聴き方は参考になりましたでしょうか?
上記の中でとにかく重要なのは「共感」です。
「相手の問題を解決したい!喜ばせてあげたい!」と思う人は、「相手が苦しんでいることをほっとけない」と言う自分の感情・衝動に突き動かされています。
気をつけないと問題解決の押し売りになってしまいます。
押し売りの問題解決はあくまで自分のやり方でしかありません。
相談場面では、本当の問題解決に必要な情報は相手の中にあると考えると良いでしょう。
人間は言葉の中身以上に、相手が信頼できるか、自分のことを伝えても良い相手かを重要視しています。
そのため、話の内容だけにとらわれて問題を解決しようとしてもうまくいきません。
まずは「共感」して、「わかるよ」を相手の芯に伝えてください。
相談に乗るのは全てはそこからです。
とはいえ、私も元からこんな聴き方や話し方が出来たわけではありません。
それどころか、論理的に正しいかどうか「だけ」で全ての物事を判断していました。
その結果「電車に飛び込んだら楽になれるかも……!」という考えに陥り、精神的にスタボロになってしまったんです。
その当時の仕事を少しだけ紹介すると、
当時は、ウェブ制作会社でSEやマネジメントを行っていました。
上場企業のウェブサイトを夜中まで連絡を取りながら自分が取りまとめていたんです。
先方と折衝したり、コーディングもしたり。
当時は朝の9時から深夜の3時まで働くこともよくありました。
(その時は近所に住んでいたので自転車で家と会社を往復)
そんな最中、会社の近くから現在の住居に引っ越しました。
当時の会社からはかなり遠く、片道2時間半。
仕事時間の長さと通勤時間の長さもあいまって、限界が来てしまったんだと思います。
症状が出始めた頃は、先方から「反応が悪い」と言われるようになりました。
先方からの問いに対するレスポンスが遅い、という意味です。
社長に対してクレームも入りました。
私はというと、社長と揉めるようになりました。
「それって本当に今必要なんですか?」と。
それに対して社長も怒るようになり、
会社は自分にとって本当に「危険」な場所になっていました。
電車を待つホームでひとり、
「つかれた・・・会社に行くのやだな・・・」
「つらいな・・・」
「電車に飛び込んだら楽になれるかもしれない・・・」
と、楽になるための手段として「死」を意識するようになりました。
もちろん私は死を選びませんでした。
ただ、いつ死んでいてもおかしくなかったと思っています。
それぐらい「楽になりたかった」です。
もしあなたの周りに「相談に乗ってあげたい」と思う人がいたら、話を聴いてあげることで少しは楽になれる人がいるかもしれません。
「疲れ果てた」「逃げ出したい」「楽になりたい」そういう人にほんとうに必要なのは、「わかってもらうこと」なんです。
いきなり解決策を示されても、考えるエネルギーも行動するエネルギーもありません。
負担感が増すだけです。
ですから、ただただ共感して話を聴いてあげてくださいね。
さて、私の話はもう少し続きます。
次章ではカウンセリングを始めるにあたってどんなことを学んだか。
そして、カウンセラーってどんな生活しているの?
(これよく聞かれるんです)
こんなことを書けたらいいな、と思っています。
ぜひお楽しみに!
writing by Takaaki yasui
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