食事、睡眠などの生活習慣から、学校生活や習い事・・・子育ては、24時間365日。
今回も、元小学校の先生で、現在は子供達と関わる先生に向けた塾「未来学園HOPE」を運営されている梶谷希美さんへのインタビューをもとに、”ついやってしまいがちな子育て”を5つのパターンに分け、それぞれの解決策についてご紹介していきます。
プライベートでは歌うことが趣味。
忙しい時に限って、「お手伝いする!」という我が子。
とても有難いけれど、子どもにさせると倍の時間がかかるし、それどころか別の仕事が増えるような予感・・・。
「後でにして・・・!」というのが正直な気持ち。
案の定、少しやらせてみたら「もっとやりたい!」とエンドレス。
つい「これはもういいから、こっちやって!」と怒り気味に。
子どもって、役に立てると思うと嬉しいんですよね。
例えば、固まっているお砂糖をがりがりと砕いたら、とても楽しかったし、お母さんにありがとうと言われて嬉しかったから、全部やりたい!というようなケース。
これ、砕いている間にお砂糖がどんどん飛び散るし、どうせまた固まるんですよね。
だから、大人としては、使うときに砕けばいいのです。
それよりも、お箸を持ってきてほしい。
でも本人としては役に立つし、感謝されて嬉しいし、何よりやり遂げたいという気持ちではじめるのですが、感謝されていたはずが、いつの間にか「やらなくていい!」と言われてしまう。
大人はチャレンジを砕いているつもりはないのですが、お子さんとしては「折角やろうと思ったのに、全部大人が決めるんじゃん」と、やる気がなくなってしまうのです。
親としては、現実的にお箸を持ってきてもらう方が役に立つ。
お子さんとしては、自分で挑戦したい、やり遂げたいと思った。
お子さんの気持ちを尊重しつつも、やって欲しいことを伝えるには、やってくれたことややろうとしてくれていることに対して、「こういう理由だから、他のことの方が嬉しいな」という言い方をすることです。
お子さんは、ちゃんと言葉にして伝えればわかります。
「わぁ!ありがとう!全部砕こうと思っているんだね。ただね、お砂糖って放っておくとまたすぐ固まってしまうから、できれば他の事をやってくれたら嬉しいんだけど。」と。
そして「皆、いそいで準備をしているところで、足りないものは何かなと並べているところなんだけど、何かお願いできる?何が必要だと思う?」と考えてもらう質問を投げかける。
そこで「お箸がない!」と本人が気づいたら、「わぁ!お箸が足りないって気づいたの?ありがとう!」と言うと、そのままのやる気のまま、お箸を取ってきて貰えるのです。
このように、貢献しようとすることを挫くのではなく、手伝いたいという気持ちがあるなら、お箸を持ってくれた方がより助かる!というような伝え方をすることで、お互いに気持ちのいいコミュニケーションをとることが出来るようになるのです。
の3つを大切にしています。
子どものうちから自分の好意が役に立たないと感じてしまうと、
「自分って役に立たないんだ」
「自分がやっていることは効果がないんだ」
「誰かの正しい指示を待たないといけない」
という思考に陥り、貢献感や自己受容がなくなってしまうもの。
そして、何よりも大好きなお母さんから「〇〇しないで」などと言われ続ける事によって、お母さんに対する信頼感がなくなってしまったら、他者信頼すらなくなることにもなりかねないのです。
大人は子どもに比べて、”これをやり続けてもあまり意味ない” というように、広い視野で全体が見え、物事を判断しています。
一方で、子どもはその先がわからないので、純粋に!”これが役に立つだろう”という気持ちでやり続けます。
お子さんのその意図をきちんと認めたうえで、「じゃあちょっと全体を見回してみて、他に何か助かる事はある?」というように全体に目線を向けるよう気づかせる声かけをすることがポイントです。
そういったコミュニケーションをとることで、将来大人になった時、”自分が役に立ちたい気持ちを持ったまま、状況を見て何が一番役に立つのか考えられる子に育つ”のです。
第二弾として、「頑張るパパ・ママがついやってしまいがち!な子育て」特集を5回にわたってお伝えしてきました。
全てにおいて共通することは、タイトルにもあるように「お母さんが頑張っている」から起こることです。
無関心なわけではなく、お子さんを大切に想うからこそ、やってしまいがちなこと。
どのケースもお子さんを1人の人間として、ヨコの関係で接することがポイントになりますが、それ以前に最も大切なことがあります。
それは、頑張っているお母さん自身の心を満たすことです。
仕事に家事、育児と、24時間では足りないほど忙しいお母さん。
つい自分のことは後回しにしがちなのではないでしょうか。
自分を認め、自分を満たすことができなければ、お子さんにも正しく向き合うことが難しくなってしまうもの。
子どもは愛情をいくら与えても、コップはすぐに空っぽになります。
愛を注ぎ続けることが子育てなのであれば、注ぐ人であるお母さん自身のコップが満たされていることが一番です。
お子さんだけでなく、ご自身のことを大切に、ご自身の好きなことを決して蔑ろにせず、自分も満たしてあげてくださいね。
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