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【働くママ・パパを応援】子育てのヒントVol.2 ダラダラとしていて、やる気がない子への適切な関わり方

  • 専門家コラム

仕事に家事に育児に・・・時間に追われる毎日。そんな働くママ・パパ達へ。

元小学校の先生で、現在は子供達と関わる先生に向けた塾「未来学園HOPE」を運営されている梶谷希美さんへのインタビューをもとに、アドラー心理学の考え方を活かした、子育てのヒントをお伝えしていくコラム。

【第一弾】ケースごとにみる対処法シリーズのVol.2では、出かける時間に支度をしない子への関わり方をご紹介します。

梶谷 希美さん(のんちゃん)
小学校の教員を10年以上、崩壊クラスの立て直しを毎年行う。先生のための塾「先生塾」を開校したいという目標ができ、起業。その他にも、教育プラットフォーム「未来学園HOPE」の立ち上げ、書籍の出版(先生の時間はどこへ消えた?-仕事の時短仕分け術-/学芸未来社)など活躍の幅は多岐にわたる。

プライベートでは歌うことが趣味。

こんなにやる気がなくて、ダラダラしていて、大丈夫なのか不安・・・。

いつもダラダラとテレビばかり見て過ごしていて、やる気がない。
このままじゃ学校生活も心配だし、将来も心配。

「今日、学校どうだった?」「どんなことが楽しかった?」と聞いても、返ってくる返事はいつも「別にー。」

「どれがいいと思う?」と聞けば「どっちでもー。」と答え、
本当に、このままでいいのだろうか・・・・。

身近で関わる身としては、とても不安になると思います。

突然ですが、ここで質問です。
あなたはなぜ、やる気を出さないといけないと思っているのでしょうか。

やる気が出ると、どんないいことがあるのか、やる気がないことによってどんなことに困るのか。
ご自身の体験などから考えてみてください。

さて、なぜこのような質問をしたのか、梶谷さんのアドバイスを交えて解説します。

子供自身に「自分の都合で動く必要がある」ことを知ってもらう

この例で言うと、お母さんは「仕事に行く」という前提で、「7時半までにご飯を食べさせて、着替えさせて・・・」と頭の中で目的地に辿り着くまでの時間を逆算して行動を計画しています。

そうです。お子さん自身、“毎日、当たり前にそこ(保育園や学校など)に行くものだ”ということは理解しているものの、いつも「次はこれ持って、あれやって」とお母さんから降ってくるものに対して反応しているだけなので、自分で「間に合うように行こう」ということまでは、意識していないことが多いのです。

では、どうしたらよいのでしょうか?

梶谷さんからのアドバイス ”ここが大事!”

梶谷さん

よく、やる気がないという相談を受けます。
家だけではなくて、学校でもダラダラとしているようで、やる気がなくて困っている、と。

それに対する私の答えは、「やる気がなくてもOK!」です。

親御さんご自身の中にある「やる気を出さないといけない理由」はどんなことでしょうか。

やる気が出るとどんないいことがあるのか、やる気がないとどんなことが困るのか。
それをそのまま、お子さんに話してみてください。

そうやってお子さんと対話をするなかで、お子さんが少しでも集中することを探してみるのです。それはテレビでもゲームでもYoutubeでもOKです。

なぜならば、「ちゃんと、そこにやる気がある」のですから。
そこの何がいいのか、どんなところに夢中なのか、話を広げてみてください。

解説
日本におけるアドラー心理学の第一人者、野田俊作先生によると、「やる気がない人は1人もいない」そうです。

今にも溢れそうな高い標高にある湖を「やる気の湖」とすると、やる気がないのではなく、「あれはだめ!これやりなさい!」とあの手この手でせき止め続けているだけだと。

そして、アドラー心理学の考え方として、「どこから来たか」ではなく「どこに向かうか」を重要としています。
これを、目的論といいます。

勉強を例にとると、勉強をすることにどんな意味があるのか、自分にとってどんな得があるのか、勉強のなにが楽しいのか。
そういったことがわからないまま、ただ「やりなさい」と言われたら、どこに向かいたいのか、何のためにやっているのかがわからないもの。

でも、例えばYoutubeが好きなのであれば、普段どんなチャンネルを観ているのか観察してみてください。

その内容に関連する職業に憧れがある場合もありますし、出ている人が好きな場合、またはYoutube自体が好きということもあるかと思います。

「このYoutubeに出てくる人のようになるにはどうしたらいいだろう」
「この人に会うためにはどうしたらいいだろう」
「動画を制作して配信してみたい」

様々な選択肢があるなかで、本人の「好き」を実現するために、「勉強が必要だ」と本人が感じられれば勉強をするでしょうし、そうでなければ別の手段を考える。

先ほどの「やる気の湖」の例で言うと、せき止められた「やる気」の湖がどこに決壊するかは人それぞれで、親が望まないほうに行くことも勿論あるでしょう。

ですが、決して「やる気がない子はいない」のです。

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