前回同様、”しつけ” という観点で、学校に行くことでどのような事が学べるのか、どのような意味があるのかについて、みていきたいと思います。
プライベートでは歌うことが趣味。
”子どものやる気がない”とか、”いつもダラダラとしていて心配”というお母さんは多くいらっしゃるかと思います。
小さく、手がかかる赤ちゃんだった頃から想像もつかないほど成長した我が子を一番間近で見てきたからこそ、子どものうちから自分で考えて行動できる子に育ってほしいという期待もあるでしょう。
自分で考えて行動できる子に育てるためには、何か特別なことをしなければならないのではないか?と考える方もいらっしゃるかもしれません。
でも実は、大人の意識と声かけで変わるのだということを、「ごく日常の1コマを、いかに自分ごととして捉えさせるか」という視点で、梶谷さんの実例から学んでいきたいと思います。
私が子どもたちと関わるときには、将来この子たちが生きていくための力を伸ばすために
という”経験”を積み上げたいと思って関わっています。
実際に私はクラスで子どもたちが自ら掲げた目標をベースにした関わりをしていましたが、いつも決めた目標を守れるわけではないですし、飽きてくること、忘れてしまうことも沢山あります。それを思い出させ、継続させるための1つの戦略として、”できるのにやらない”というような場合には、私はわざと怒ります。
まず、「そのような態度なのであれば、目標なんて掲げなくていい。やる気がない目標に対して、できないとか、工夫しない、考えないのであれば消します」と言って、子どもたちが掲げた目標を消してしまいます。
大抵そのようなことをされたことがない子たちは、固まって黙るのが当たり前で、それを知ったうえであえて次にこう言います。
「先生が止めろと言ったらやめるんですか?自分たちで何も考えていない。誰かひとり、それでもやります!という人はいないのでしょうか?」と。
そして、「本当にやりたくないのならそれでもいいです。なんだか先生もやる気がなくなってしまいました。適当に読んで問題を解いて持ってきてください。黒板も・・・いいや。書かないので、教科書を自分で読んでくださいね。」と言って先生用の端の椅子に座ってしまいます。
そうやっているうちに、1人、2人とぼそぼそと話し出して、意を決した何人かが「いつもの授業がいいです。お願いします」と言いに来るわけです。
そこですかさず、「動いたね!今の3人が動いたということだよ。先生が言っているのはこれだよ。このままじゃ嫌だなと感じて、自分の足で立って先生のところに来て、お願いしますと行動した人がいる。皆はどう思うの?」と全員に投げかける。
そうすると、1人、また1人と「お願いします!」と動くのです。
そして、「皆のやる気があるなら私も頑張りたい。それで、目標に戻るけれど、このままでいいの?私はこのあと何もしないよ。この後どうすればいいのか自分たちで考えてごらん」と言うと、誰かが自分がやると手を挙げ、話し合い、休み時間などを使って目標を掲げ直すのです。
先生がダメだというからやらないというのは、誰かの駒になること。事態を変えられる力を皆は持っているということ、動ける人が1人でもいると嬉しい、というような伝え方をして、その関わりを繰り返す。
自分たちで考えて動くということを掴んだ子どもたちは、大人が思ってもないようなすごいことをやってのけます。
自分が楽しく過ごせるように、自分で工夫して考えるということを身につけてもらうための関わり方が、とても大切なのです。
ですが大人になって社会に出た時に、会社の目標を自分の目標に落とし込み、達成しなければいけない場面は多くあります。
ここでお伝えしたいのは、子どもに常に
ことで、自然と主体性のある子に育っていく、という考え方です。
誰かのせいにしていては、何も進まないということ。
大人である私たちが一番身に染みて感じていることではないでしょうか。
子育ては、自分育てだという言葉をよく耳にします。
自分の関わり方がダイレクトに子供に表れるので、湧き上がった怒りが子どもに対してのものなのか、自分に向けてのものなのか、わからなくなることもあるでしょう。
ですが親である私たちも未熟で、完璧である必要はありません。
いつからでも変わることができますし、幸いにも、側には、共に学んで共に進める子どもという存在がいます。
大人も子どもも、自分の過ちを素直に認め、
“じゃあどうすればいいのか?”
“私は、あなたは、どうしたいのか?”
を都度話し合いながら進むことで共に成長していける、それがあるべき ”子育て” なのではないでしょうか。
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