平本式卒業生インタビュー:大滝 文一さん(文ちゃん) 今回は現場変革リーダー養成3ヶ月コース(以下:現変)に参加された大滝 文一さん(文ちゃん)へのインタビュー。 新卒でNPOへ入社し、地元・北海道で事業の立ち上げ、現在はスウェーデンに留学中。ご自身の目標に向かって邁進されている文ちゃんに、お話をお伺いしました! (聞き手:佐藤李香)
そもそも留学はかつてからの夢、と言うことでしたが、元々目的があったのですか?
いえ、元々のきっかけはざっくりしていましたね。
大学2年生の時にアメリカの大学に編入したい、と言う想いが急に出てきたんです。
その勢いで親に言ったら、とても怒られまして……。(笑)
僕自身、母子家庭で経済的余裕があまりないことをそこまで自覚はしていなかったのですが……その時は、そこで諦めました。
多分そのときの自分の環境が大きかったと思うのですが……。
受験の時は1日10時間くらい机にかじりついて勉強して、名の知れた大学に入って、世間的には良い人生と言われたけれども、何というか……ぬるいというか……。
ぬるいと言いますと……?
周りもすごく遊んでばかりだし、自分自身も遊んでばかりで……自分を変えたいと思っていた時に、ある人の本を読んで「世界に飛び出せ!」と言う言葉を目にしたんです。
それまで留学という選択肢を考えたことはありませんでしたが、自分には知らない世界が広がっているはずと言うことにワクワクしたんです。
子供の頃から、自分の知らない世界に飛び出すことが好きで……小さい頃は、母親と妹と3人で公園巡りをしていたんですよね。自転車で色々連れて行ってくれて。自分が行ったことない場所で遊ぶとか、何か体験することに、すごくワクワクしていました。「未知」に対する好奇心はかなり強かったことを覚えています。
以前の自分にとっては、出身地の旭川から見ると東京が未知だったんですね。そして東京にずっといる中で、東京が既知になってきて。(笑)
だんだん視野が広がっていく、みたいな文脈で海外に視野が向き出したんだと思います。
あとは一貫してその辺りから、生きる上で何が大事なんだろうということを考え始めるようになってきて、そこでまず教育に課題があると思ったんですよね。
哲学的な部分だったりとか、そもそも人とは何だとか、生きるとは何だ、と言うような
ことを考えるようになって……。答えはないんですけど、考えの方向性としてはそちらに寄っていきましたね。
そうだったんですね。ちなみに、そもそも留学に行きたいけども、なかなか実現できない人も多いと思っていて……。
文ちゃんはどうやって留学を実現させたんですか?
そうですね……。
縁と運と恩に助けられているところが大きいのですが……。
僕は先ほどお伝えしたようにお金がある訳ではないので、業者などは頼らずに書類や学校選びは全部自分でやるしかないと思い込んでいたんです。
ただ、結果的には一緒に働いていた人たちが助けてくれたりとか、運よく受かった大学の一つに学費免除の奨学金を頂けて、進学を決められたりとか。色々なものが重なって実現してる感じがありますね。
改めて留学に行かれるにあたって、留学に対する目的や思いの変化はあったのですか?
大筋は変わりませんね。NPOの教育現場で色々見てきて、もっとアカデミックで活用されていない知識や知恵がたくさん詰まっているんだろうな、みたいなことをちゃんと知って現場とアカデミックな部分を統合できる人になりたいと思ったりとか……。
一生学び続ける、という「生涯教育」にも関心が出てきていて。その文脈で北欧にすごい興味があったんです。大学の学費も国内の方は無料で、生活費も一定額支給されている、何歳からでも学び直せるという環境は実際どんな感じなんだろう……実際住んでみて学ぶことって面白いだろうな、と思っていました。
オンラインで留学開始、とのことでしたが実際いかがでしたか……?
日本で仕事をしながら、オンラインで学び始められたのはすごいよかったなと思いましたね。
今まで海外への留学経験や住んだ経験がない自分からすると、いきなり全て英語で生活も学びも……となるとなかなか厳しかったと思うので、段階を踏んで良い感じで進められました。
なるほど、良い影響もあったんですね!
そして実際にスウェーデンで学び始めて半年ほど過ごされているかと思うのですが……。
そちらでの生活はいかがですか?
やっぱり、人との交流が楽しいですね。
今、シェアハウスに4人で住んでいるんですが、通っている大学はバラバラです。
スウェーデン人の女性とコロンビア人の男性とオーストリア人の男性と僕。
違う国籍の人たちと一緒に住むという経験もなかったので、いい経験ですね。
この前も、コロンビアの彼がご飯作ってくれたりして、全然違う文化圏のものをまた違う文化圏で食べてるって不思議な感覚でした。(笑)
他の国籍の方と日本人の比較して思うのは、よく言われますが、やっぱり日本人は丁寧ですよね。
例えば日本人だと食べ物にラップをして冷蔵庫に入れるじゃないですか。他の方はそういうことはしないので……。生のまま入れている物をよくみますね。
あと「主張する」ということは日本人は弱いなと感じましたね。
言語的なものもあると思うのですが……日本語ってすごい止まる言葉ですよね。
止まる言葉??
日本語って一気に話さずに間をあけたりするじゃないですか。 一方で英語を含めた他の言語って、一気にバーっと話して相手は大きく頷かずに聞いてるみたいな感覚なんです。 日本人は頷きによって「聞いてるよ」っていうサインを出すじゃないですか。 ただ、それをこっちでやると「あなた、話聞いているの?」と言われてしまうんです。真逆の取られ方をするんです。 文化や言語が変わると、そもそものコミュニケーションスタイルが変わることを身をもって体験しました。
教育に対する捉え方に関して、感じたり考えたりしたことはありましたか?
日本の教育ハードルの高さを改めて感じましたね。
「教育」は生涯教育と学校の学びという2つの文脈があると思っていて。
スウェーデンの「生涯の学び」のハードルは凄く低いですよね。
具体的に言うと、学費は基本的に無料です。EUに住んでる人たちは、学費が基本無料なんですよ。なので、自分の国の大学に行くよりも安い、と言う方も多くいらっしゃるんですよね。ちなみにスウェーデン人は学費だけではなく、生活費も支給されます。
なので、自分がやっぱり学びたいと思ったら、気軽に気楽に学びにこれて、30代・40代だから駄目、と言うこともなくて。
自分が学びたい・深めたいと思ったことを、自分から学ぼうと思ったら学べるっていう環境が社会的にあるってすごい大きいなと思いましたね。枠組みとして作ることの大切さを学びました。
学校教育に関しては、現実を聞くと色々思うことがあって……。スウェーデンの子たちはすごく自由を与えられているんですよ、例えば、成績も小学校6年生になってからやっとつくみたいで。
それまでは、成績っていう概念が存在しないんです。
なので、子供たちは成績を気にせずに伸び伸びと学んでいると言えば学んでいるんですよね。
いわゆる大学受験もないので受験に向けて勉強する、とか何かのために勉強する、と言うことは基本的にない、と。
なので、学校の授業も、受けたくなければ受けなくても良いっていう状況なんで……。
キャリアについてのサポートもないので、親がしっかり教えないと子供が楽な方に落ちていくこともあるらしくて。スウェーデンで子育てをするなら、親が頑張らないと大変よ、と現地の人に言われましたね。
日本のように机にかじりついて、自由のない中で勉強をするのも難しいなと思ったけれど、自由を与えればいいってことでもないんだな、と感じました。
生涯教育の話はいいなと思うところもあれば、片や内情を現地の人から聞くと、学校教育はそんな見方もあって、なので、いいなという部分と、そうでない部分を、いかに分けて見ていって、統合して大事にしていけるかって思った以上に難しい側面があることを感じています。
自分らしさの育み方って難しいですね……。
そうですね、だからこそ、自己信頼・他者信頼の本質って何だろう、ということも改めて考えさせられました。
自由だから育まれるのではなく、そもそも自己信頼ってなんだろう、ということを考えさせる時間も必要だし、それを周りの人と話す時間も大事だし、自分が知ろうとしてる概念に近いものを体験を通して感じるみたいなことが、大切なんだと思いました。
自由を与えておけば学ぶとか、逆に与えずに抑圧するほうが学ぶとか、仕組みの部分ではどうにも行かないところがきっとあるんですよね。仕組みって容器だから、デザインがないと、ただ入れ物に入れただけで終わっちゃう。そう現地の教育を受けた人の話を聞いて思いました。
こういうことって、あまり公になりにくい話だから、現地である程度関係性ができた方からこういう生の声を聞けることを思うと、、現地に来られて良かったなと思いますね。
最後に、今後のビジョンを教えてください!
野望はいくつかあるんですけど……。
まずは日本人として、コーチングと学習科学を掛け合わせた研究を深めたいと考えています。
僕が大学で専攻している学習科学(ラーニングサイエンス)という領域は、教えられるという「受動的」な状態から、学習者を中心に、また「主体的」に学んでいくために科学的根拠を持って学びという現象について研究していくんです。
学校教育・生涯教育どちらの分野に対しても、アカデミックな研究を深めつつ、対話の技術という部分でコーチングを活かして実践につなげていきたいと思っています。
おお!面白そうですね!他にもありますか?
コーチングを含めた「学びのデザイナー」もやっていきたいですね。
どのようにしたら学びをより豊かにしていけるか、を考えている人や組織、学校や団体と組んで学習そのものを一緒にデザインしていきたいですね。
こういう形、環境、人、状態の中で学びをセッティングすれば、すごく効果的に、豊かに学んでいけるということを一緒に声が描いていけるデザイナーになりたいです。
博士号を取られるなら3-5年スウェーデンにいらっしゃる、というお話もありましたが、日本に戻られて実践されていくのですか?
そうですね。海外で住み始めてから、やっぱり自分は日本人なんだなと実感しました。現在も色々インプットしていますが、今まで育ってきた日本の中で活かせるものはないか、という考えがいつもありますね。
日本語が自分にとって一番馴染みがあって、自分の良さを活かせる部分だとも思うので。
今はテクノロジーのおかげでオンラインでスウェーデンからでも日本の人たちと繋がって仕事ができたりしていますが、ゆくゆくは日本に戻って、学んだことを更に生かせたらと思っています!
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